私は仔猫。

2/19
前へ
/37ページ
次へ
 今朝は雨が降っていた。私は眠るご主人様の隣で、一人、体を起こし、窓の外を見つめる。  ご主人様…怜司と出会ったのも、こんな雨の降る日だった。  激しい喧嘩を繰り返す両親と暮らすのが嫌でたまらず、家出をしたものの、行く当てもなく途方にくれていた私に、怜司は優しく声をかけてくれた。 「お前、どうしたの?…」  
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加