所詮子供

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暗闇から歌が聞こえる。 静かで高く美しい、そんな声が風にのり流れてくる。 名雪が歌っている。 100mの高さはあるであろう塔の最上階。名雪はそこにいた。 なんの装飾もない、長袖の白い、足首まであるワンピースを着ている。 足首には痛々しい傷跡があり、原因は足枷だろう。 それは名雪の身体に、釣り合わない異質なものだ。  レンガ造りの塔。窓が一つ。だが、アレを窓と言わないだろう。
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