所詮子供

5/8
前へ
/8ページ
次へ
名雪は人買いに攫われた時、寂しくなかった。それなりに恵まれた生活をしていたからだろうか。違うのだ。 友達は作らなかった。 必要性がないと思ったからだ。 両親は名雪を視界に入れなかった。 名雪の弟に夢中だったからだ。 だから、寂しくなかった。 ノスタルジックにもならなかった。 むしろ、ある意味固定的日常から抜け出せて、嬉しかった。楽しみだった。 ストレス解消屋に相手役として入ろうと、幽閉された空間で奴隷のようにされても、たいした問題ではないと、名雪は思っていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加