ふたりの本音

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夏生からのメールは 迷ったけど…… ものすごく迷ったけど。 返事もせずに、消した。 つらかった。 何回も読み返して泣く自分。 嫌だった。 「……………何?」 「ううん、なんでもない」 相変わらず、 学くんはイケメンで、爽やかで。 確かに 私なんかで満足しちゃうのは… もったい…ないのかなぁ。 “ミィちゃん、可愛い!” なんて 夏生は、言ってくれた。 いつも、いつも。 あの人は 浮気する度本気になって 簡単に私を捨てちゃうくせに つきあってる時は 本当に溺愛されてるって思うほど 勘違いしてしまうほど 愛情表現、目一杯してくれて。 別れるまで 私は、捨てられるまで…… 自分が 夏生にとって 大した存在じゃないってわからない。 気づかない。 同じこと、繰り返してばかりだったのに。 いつまでも わからないままだった。 バカだな、私。 だから いつまでも、幸せになれない。 学習しないから。
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