番外編2

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突然、 美紀が今まで以上に嬉しそうに笑った。 道端で。 『もしもし! 学くんですか!?』 「…………。そーですけど」 俺から電話きたくらいで そんな、にやにやするんじゃないよ。 変な人だと思われるよ。 『えへへ。なんか用?』 「ねえ。今、近くにいるんだけど」 『へ?』 コンタクトを入れて 1.5近くある美紀の視力なら きっと、見つけられる。 あ。 ほら、気づいた。 つーか。 気づいてくれたのは いいんだけど。 走って近づいてくるのも 別に、いいんだけどさ。 「どーしたの?」 「もう仕事終わったから。買い物行くんでしょ?」 喜びすぎでしょ。 車に乗り込んできた美紀は 今日イチの笑顔を見せた。 「うん!」 「で、たまたま美紀見つけたから。いっしょに行こうと思って」 「そーなんだ♪」 ムズムズする。 なんだこれ。 そんなに喜ばれると こっちも、調子狂うんだけど。
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