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「……。あの女って?」
あの後結局
“とにかく落ち着いて”と
なだめられた私。
「………。今日、女といたでしょ?」
「ああ、アレ? もしかして○×通り?」
「そうだよ! 私、そこの目の前のカフェにいたんだけどさぁ!」
スウェットに着替えてきた
学くんがリビングのソファに座る。
私にも
隣に座るよう促した。
「あー、そうだったんだ」
「“あーそうだったんだ”!?」
「…………。なんでもないよ、あの人は。よく知らない人だし」
テレビを見ながら
時折私の顔を、チラ見する。
なんだよ。
今日もいい男だし。
なんかもう、ずるいな。
「よく知らない人!?」
「そうだよ? 取引先の人で、今日初めて会ったんだけど」
「今日初めて!?」
今日初めて会った人と
あんなに、近距離で接触しちゃうの!?
めっちゃ
腕とか組んでましたよね!?
「……。なんでいちいち繰り返すの? めんどくさいなあ」
「……………」
「駅まで送ってくれって言うから送ってただけだよ」
めんどくさいって。
送ってくれって言われたら
さっさと送っちゃうんですね。
ふーん。へえ。
よく知らない初対面の女を。
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