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「ほんとになんでもないんだって」 「…………」 私は “信用できない”というように 学くんを、じっと見た。 「ほら美紀の好きな月9始まるよ」 「………チッ」 「舌打ち(笑)」 月9で ごまかされるもんか。 私は そんなちょろい女じゃない!! 「録画するからいいもん!」 「ええ? 見ないの」 「……。明日ひとりで見るんだもん!」 すると 学くんは、呆れたようにため息ひとつ。 た、ため息!? なんだよ、もう。 ため息つきたいのは むしろ、私の方なんですけど!? 「じゃあ俺、風呂入ってこよっかな」 「私が入るから後にしてよっ」 立ち上がり ドアを開いた学くんの横から 私は お風呂場に向かおうとする。 「……。ハイハイ。どうぞー」 「……………」 ムカ。 なにその扱い。 ちょっとうざいんですけど。 早足で 学くんの前を素通りしようとした時。 小声でこう聞こえた。 「なにそんなに無駄に怒ってんのかねー」 と。
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