プロローグ

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炎くんは人を使うことが誰よりも上手かった。クラス全員の性格、行動を把握しているのか、適材適所とも言える采配をする。 必要な時には先生でさえ顎で使う。その先生も、炎くんへの信頼は厚いからか、喜んで使われる。 僕もおそらく適所に振り分けられている。人をよく笑わせているから、娯楽係と言えば良いんだろう。 クラス全員が委員会とか学校の係とかそういうこと以外にも役割のようなものがあり、円満に、円滑に、楽しく過ごし、高校2年生の秋、修学旅行という大イベントが近づいていた。 けれど、そうだ、彼女のことを忘れていた。彼女はどんな位置づけだろう。
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