紅い眼の男

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 私は鶏のから揚げを食べ終え、その場で立ち上がる。下から涼花が上目で見てくるのが伺えた。椅子をどけ、返却するところに食器を持って行く。私は早々と戻り、自分のバッグを肩にかけ涼花と食堂を後にした。涼花はお腹がすいたのか、歩き方がへなへなしている。そんなになるんだったら食べたほうが体に悪くないと思うんだけど…、こう思うの私だけ?  校門を抜け、排気ガスの臭いがそこら中充満している。あれだけ昔からエコエコ言っているのに未だ地球温暖化は進む一方、多分このままいくと地球は本当の地球じゃなくなりそうだ。 「におい」っていうのは人間の大事な五感の一つ。その五感が、今の地球は危ないと教えてくれる。 「そういえば、その文具店て何処にあるの?」 「なんか駅の近くにあるって聞いたんだけど…」  駅の近くなんて文具店なんかなかった気がする。あるのはスーパーとか商店街…その商店街にも文具店なんかない、本屋ならあったけど。 「私文具店なんか見たことないよ」  そう私が言うと、涼花も同じだったらしく一生懸命ネットで探していた。涼花はこう見えて結構マメな人である、なのでわからないことがあったら先に人に聞くわけではなく自分で調べる。逆に私はよく人に聞いてしまう。こんなんだから私は涼花に頭が上がらない…なんというか、価値観が違うように思えてしまう。 だからといって従属するわけではなく、友人ながら尊敬しているだけ。 「ん~みつからないなあ…」    涼花は頭をかき、独り言のように呟いた。
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