第00話 サクラメイキュウ

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 そして、嫌いになったものがたくさんある。  まずは両親と兄二人と姉。  嫌らしい目で見る親戚達。  極めつけは――僕の一族が守っている、霊力のある『桜』だった。  窓の外を眺めると、うちの近くに大きく立つ木が一本立っていた。  夏だというのに、散ることのない『桜』。  そしてあれが見えるのは、霊力を持っている者達のみ。 「どうしたの、まゆみ?」 「……別に」  当然、紗代にも見えていなかった。  僕は視線を逸らした後、携帯電話を開く。  時間を確認して紗代に向かって答えた。
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