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……とまぁここまでが、本日が絶好な旅立ち日和と言える一つ目の理由である。
二つ目の理由は、先日からしばらくの期間、周辺地域に危険なモンスターの存在が確認されていないことにある。
先程の理由はハンターになるための下準備として大事なことだったが、これは村を出る上でとても重要なこととなる。
ポッケ村はフラヒヤ山脈の中腹あたりに位置する小さな村であることは述べた通りだが、それはつまり様々なモンスターがすぐ隣で行動し生活していることを意味している。
無論、そのために村周辺の農場や、珍しい時には集落そのものに迷い込んでくる野生のモンスターもいたりする。
ポッケ村ではそうした事態に対処するべく、長きに渡って専属のハンターを数人呼び込み生活してもらってきていた。
村の脅威となりうるモンスターが現れた際には専属のハンターが出動し、村を護ってもらうワケだ。
現在もポッケ村には専属のハンターがいるが、今は一人のみである。その男は随分と凄腕だそうで、クロアスがハンターに憧れ志すきっかけとなったまさに張本人でもある。
まぁとにかく、そうした環境の中にあるので村人が不用意に村の外を散策するのはいささか危険なのだ。
そんな中で幸運にも、クロアスの十八歳の誕生日となる本日より少し前から、周辺地域に危険なモンスターは認められない日々が続いたので、予定通り今日旅立つことを決めたのだった。
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