魔法学校は9月入学。

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「さてと、今から会議すんでー」 見回りを無事終えて戻ってきたオレたちにリンが発した最初の言葉はこれ。 「……なんの?」 オレが当然の疑問を口にすると、ため息をついてやれやれと首を振る。 「鈍いやっちゃなー。 この時期に会議する言うたら議題は一つしかないやろ」 「えーと……?」 オレは頭を抱えるが分からない。 見かねた鉱輝が回答を出した。 「新入生歓迎の話、だろ?」 「その通り! さぁ、アイデア募集やで!」 ビシッと鉱輝を指して正解を告げてから、胸を張るリン。 だがルナから一言。 「……これ、生徒会へ提出する書類?」 『…………』 一同、沈黙。 その静けさを破ったのは、口を鯉のようにパクパクと動かしていたリンだった。 「……わ、わ、わ、忘れてたーーーーー!!!!!」 「えぇぇぇぇ!?!?」 これはオレと麗美さん、梨沙の声だ。 「ふぅ……相も変わらず見事なボケっぷりだな」 「テンプレ展開ごちそうさまです!!!」 魅世さんは呆れ、鉱輝はグッジョブとばかりに親指を立てる。 ただ1人冷静なルナが書類に目を通して言った。 「……期限は1週間前。 今さら出せない」 「あの会長はそういうのに厳しいぞ。 その上ここを目の敵にしているし、言い訳を通してはくれぬだろうな」 冷静な魅世さんの意見にぐうの音も出ないリン。 「じゃ、この会議も意味ねーよな。 ならとっとと遊びを再開しよーぜ。 ……ボードゲームとかどうだ?」 「待てぇい!!!こうなったら隠密かつ秘密裏に……」 「……言葉の意味が同じ」 「ダメよ! 私が責任取らされるんだから!」 ルナと梨沙の連続攻撃に、そろそろリンは限界だ。
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