魔法学校は9月入学。

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「なんだ、そのあからさまに嫌な顔は? そして今年もクラス長になれるか分からんぞ」 「二度あることは三度あるって言うし、心配せんでも今年もなるって」 「誰が心配など……!」 魅世の説教が始まりかけたところで、チャイムが鳴る。 始業式前のホームルームだ。 全員が座ったが、二席空いている。 遅刻者がいるということだ。 「あいつら……転校初日で遅刻か……」 「転校って……まさか……!?」 「……駒田 翔(こまだ しょう)と黒岩 鉱輝(くろいわ こうき)の2名」 ルナが呟いた名前は、この物語の主人公たちだ。 「はいはーい、ちゅーもーく。 新しーい先生がー、副担任として入りまーす」 間延びした声が特徴的な、担任の花咲 桜(はなさき さくら)先生が、招き入れた人物に、魅世、リンはあんぐりと口を開ける。 ルナだけが「……なるほど」と何か納得していたが。 入ってきた人物は、3人にとってよく知った人物だったからだ。 霞を栄養源にして成長する木、仙人花(センニンカ)が特有の甘い匂いを学校に届ける今日この頃、魔法学校の始業式がつつましやかに執り行われた。       ―プロローグ エンド―
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