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『なお、駒田 翔及び黒岩 鉱輝の両名が《Dragon Master》 《Chaos Connector》と一般社会に露見した場合、それが及ぼす影響大きく、その影響いかんによっては風紀を乱すとして退学処分になるので注意されたし』
ご丁寧に警告までしてくれたよ……改めて考えると怖いな……。
オレは鉱輝と顔を見合わせる。
『Chaos Connector(カオスコネクター)』黒岩 鉱輝
ダテメガネ装着の爽やかな顔立ちに、長身でスラリとした立ち姿。 その割に剣道で鍛えたたくましい体に、二年前――中学二年でセンター試験平均90%超えという並外れた知能。
俗に言う完璧超人イケメン野郎だが、しかしそれは外見に過ぎず、口を開けば誰しもが絶望するほどのヲタクっぷりである。
それでも女の子は寄ってきたが、本人が「3次元の♀なんぞに興味はない」と言ったため全滅した。
だが梨沙たちには興味があるようで、3次元の女の子が側にいるのに何も言わない状況が2ヶ月経った今でも続いている。
さて、この世界の魔法には10種の属性が存在するが、魔法使い100人集めても10人も主属性が現れない、『光』と『闇』という珍しい属性を鉱輝はなんと同時に持つ使い手だ。
ちなみに、主属性はその人が契約できる精霊の属性のこと。
そういう使い手の総称をカオスコネクターと呼ぶが、光と闇の同時使用はもう百年以上確認されていないようだ。
魅世さんも当てはまるコネクター――主属性を二つ持つ魔法使いは遺伝と関係が深いので、非魔法世界にいる鉱輝の父親も何か知っているはずだが、
「親父は必要なことは必ず言う。 今はそのときじゃないんだろ」
と詮索しない方針の鉱輝である。 ちなみに鉱輝は自分の力のことを「主人公スペック」などと呼んで調子に乗っている。
そして『Dragon Master(ドラゴンマスター)』駒田 翔――オレのことだ。
オレはつい数ヵ月前まで、どこにでもいる普通の高校生だった。
しかしオレは偶然か運命か、はたまた神のイタズラか、帰り道にとある卵を見つけ孵化させてしまう。
出てきたのは……竜だった。
さらに卵を元々持っていた少女――梨沙によって魔法世界に来てしまい、さらに追いかけてきた魔法使いの襲撃を受ける。
その魔法使いに梨沙は圧倒され、助けに飛び込むオレももちろんやられた。
しかし梨沙との「主従契約」により魔力を得て撃退。 だが契約内容に沿ってオレは下僕扱いにされたのだ。
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