魔法学校は9月入学。

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この学校の体験入学の日に生徒会とケンカしたり、12年前に世界を救った英雄『虹の戦士』に修行をつけてもらったりと、振り替えれば忙しい毎日だった。 ちなみにオレの親父も『虹の戦士』かつ『Dragon Master』らしく、オレは不思議と親父の後を追っているようだ。 そう言えば、鉱輝も非魔法世界の人間である。 何も起きない日なんて珍しいくらいのドタバタな毎日だが、とても楽しいことも確かなんだ。 ……というわけで、これから何をするのかだが。 「依頼が無ければ動かれへん。 遊部のみー」 ……だろうなー。 元々と変わってないじゃん。 ルナは古いノートを広げる。 理事長にもらった封印術の研究ノートだ。 さっそく紙を取りだし、練習を始める。 オレたちはリンに付き合ってトランプを始めたが……。 「ごめん、遅れた……」 そう言いつつ扉を開けたのは、この学園一の美少女である。 栗色の紙と淡い金の瞳、制服がはちきれんばかりの豊満なバストが特徴の超絶天使フェイス、霧沙 麗美(きりさ れみ)さんの登場だ。 「遅かったなー、麗美。 もうトランプ始めてもうたわ」 「……どうしてそんなに遅かったの?」 ちなみに唯一、学年が一つ上である。 オレ以外敬語使わねーけど。 「んー、日直の仕事任されて……」 梨沙の質問に答えつつ、適当な椅子を選んで座る。 ふぅ、と一息ついてから、何かに気づいたように首を傾げる。 それから再び梨沙を直視。 「……なんでここにいるの!?!?」 「おっそ!!!」 この人、天然というかトロいというか……。 その上に麗美さんは勢いあまって椅子ごと後ろに倒れる。 「きゃあ!!!」 ドタン!と大きな音を立てて倒れた麗美さんに鉱輝が近づく。 「そんな君にはこれを進呈しよう」 渡したのは……メガネ。 「ドジっ娘+巨乳+メガネで最高のハーモニーだぜ!」 「何やっとるんじゃお前は!」 後ろから思いっきり蹴飛ばして、麗美さんに駆け寄る。 「大丈夫ですか?」 「……ありがとう」 そんなオレたちを見て、鉱輝が文句を付ける。 「またフラグ立てて……。 ハーレムルートでも狙ってんのかお前は? ……やめとけやめとけ、3次元でやると修羅場にしかならねーぞ」 この後、梨沙の踵落としが入ったのは言うまでもない。
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