第一話:山林の巨人

7/35
前へ
/40ページ
次へ
一連の破壊活動が終わった後、床に倒れてうずくまるHM部の面々を見下して、サッカー部のキャプテンらしき人物が、明らかに馬鹿にしたような口調で話した。 「あのさぁ・・・君達みたいな底辺キモオタ集団よりも、俺等みたいなサッカー部が活躍した方が皆喜ぶんだよ、それぐらい理解して空気読めよ、マジでKYだな?」 最後にキャプテンらしき人物が桂太を蹴飛ばすと、サッカー部達は棚に置いてあったグラウンド使用申請書を持って、ギャハハとうるさい笑い声をあげながら部屋を後にした。 しばらく、彼等はじっとしていた。 話し声も上げなかった。 「・・・悪い、俺のせいだよ・・・な」 露助がその沈黙を破り、 「いつもの事じゃないか・・・」 桂太が答える。 「掃除、どうする?」 「細かい掃除は掃除の時間にしよう、まずは散らかったプラモや容器の片付けだな」 「なあ桂太」 「何?露助」 「すっげー帰りたい」 「me too」 ここは、自然学校かむいの里。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加