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大体の掃除をした後、露助は桂太と一緒に、「勝負で勝ったらジュースおごってあげる」という約束の元、自動販売機に向かっていた。
が、自動販売機に行くにはグラウンドの側を通らなくてはならず、2人は自分達から無理やりグラウンドを奪ったサッカー部の練習風景を見せつけられなければならなかった。
「ちくしょう・・・サッカー部の奴等!」
「嫌なら見なければいいじゃん、むしろ見るな、その方がいい」
桂太をなだめる露助。
ゴーグルに代わり、本来の四角いメガネをかけている。
「でもさ、露助・・・」
「俺だって、あの状況は気に入らないがな」
露助の視線の先。
フェンス越しに数人の女子生徒がサッカー部の練習風景を見て黄色い声を送っている。
大方、イケメン部員が目的だれう。
「ケッ、所詮は顔かよ、ベーっだ」
悔しさを込めて、年甲斐もなくアッカンベーして皮肉る桂太。
「顔だけじゃないさ、あいつらは奴等が悪ぶってる事にも惹かれてるのさ」
対して冷静に女子達を皮肉る露助。
露助の言う通り、年頃の女子という物はなぜか真面目にやっている生徒よりも不良っぽい生徒に惹かれる。
顔が良ければなおさらだ。
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