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ズイッ、と小豆先生の顔が露助の顔に近づく。
怪我の為と露助は頭で解っているのだが、露助の緊張はすでにピークだ。
「え・・・HMのコックピットで・・・こ、転んじゃって・・・」
顔を真っ赤にして、小豆と視線を合わせては逸らしを繰り返す露助。
サッカー部にやられたなんて、仕返しが怖いし何より誰も信じてくれないので適当に誤魔化す。
「まあ・・・痛かったでしょう?ちょっと待ってて・・・」
小豆は、肩から下げている救急カバンの蓋を開けて、中身をいじり始める。
「えっと・・・あった!」
小豆がカバンから取り出したのは、打撲用のチューブ塗り薬「マロキン」。
マロキンの蓋を開け、チューブから出した塗り薬を、露助の頬っぺたに撫でるように塗る。
一塗り、二塗りと。
「あ・・・あああ・・・」
小豆先生にはそんなつもりはないのだが、露助のようなウブな思春期男子にとって、片思いの相手に身体を触られるというのはたまらない物なのだ。
そして視線を下げると、服と肌の間から小豆先生の谷間が顔を出している。
露助の頭の中はもう真っ白だ。
「はい!おしまい!」
治療が終わり、慣れた手つきで小豆先生は薬をカバンに閉まった後も、露助の頭の中は真っ白のままで、緊張した目でじっとしている。
「これで少ししたら痛みは引いていくはずだから・・・お大事にね、未来のエース君♪」
そう言い残し、小豆先生が駆けてゆく。
ポーッとしている露助と、それをニヤニヤしながら見つめる桂太。
「ふふ、いくらクールな露助っちも、所詮は男の子ですな」
ふと桂太が露助のズボンを見ると、ズボンの股関部分が盛り上がっていたという。
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