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俊也は、幼少の頃父親からマジックの本を買ってもらった。
最初は上手くいかなかったものの、練習を繰り返すうちに上達し、成功。
一種の達成感を味わった俊也は、練習と成功を繰り返すうち、いつしかテレビに出てるマジシャン並みになった。
付いたあだ名は「ノワールマジシャン」。
あるカードゲームのアニメで、主人公と共に戦い続けた魔術師のモンスターの名前だ。
「流石はノワールマジシャン、この調子でテレビ出れるんじゃないか?」
幸助がおだてると、俊也は得意げに高らかと言う。
「そうともさ!俺はいつか、世界も認めるスーパーマジシャンになってみせるんだ!」
「・・・HMスポーツの世界進出は?」
「あ、ああ!それもそれも!」
桂太の容赦ない突っ込みに、慌てて返す俊也。
HMを使ったスポーツは、HMは兵器という印象がある為か、まだ浸透していない。
HM部の目的は、HMスポーツを一般人に普及させる事にある。
しかし、日本でHMスポーツをやっている団体は数えるほどで、大会も海外でがメイン。
桂太達には、海外へ行けるお金も無ければ、自主でイベントを開けるお金も、無い。
それに顧問の先生が先月退職してしまい、今や部活は麻痺状態。
当然部費は出ず、学校の方のホワイトラビットの整備も部員達の自腹だ。
そんな中、ふと露助が呟いた。
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