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大地を、高速回転する、スポーツカーのような太いホイールがえぐり、モーターの高い音が森林に響く。
林の中に作られた直径20mほどのグラウンドの中、人の姿を模した大きく無骨なマシンが、ペイント弾丸を込めた拳銃片手に、足のキャタピラーの高速回転による無限機動で走り回る。
一方の、胸に04と描かれたマシンは、全身を赤や黄色のペイント弾の傷痕で彩り、一種のサイケな化粧にも見える。
もう一方の03と書かれたマシンもペイント弾の後はあるものの、04よりずっと少なく、元の白いカラーリングがよく解る。
どちらのマシンが有利かは一目瞭然だ。
「この・・・この・・・調子こいてんじゃねえぞこのクソオタクがァッ!!」
04のパイロット。
小麦粉の小汚ない肌に、相手を威嚇するような小さい目、そして東洋人の顔には不似合いな金髪。
筆者は男性なので理解できないが、このような見た目が女性にはウケがいいのだろう。
口調から、追い込まれてかなり苛立ってると予想される。
「・・・・・・」
対する03のパイロット。
眼鏡代わりの特種ゴーグル越しに瞬き一つせずに液晶に映る04の姿をとらえる、04の金髪と同年齢であろう彼は、何の特徴も無い黒髪と、イケメンともブサメンとも取れない特徴の無い顔立ちと、はっきり言って地味な見た目だった。
だが、操縦技術は見た所彼の方が上のようだ。
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