僕の恋はこうして始まった。

１

あー、つまんない。
高等部の入学式だってのに、みんなほぼ知ってる顔ばっかだし。

この学園、男しかいないし？花がないし。

校長先生の長い話が終わって、今は新入生はみんなクラスに分かれて移動。
そして、ほぼ知ってる顔だってのに担任が自己紹介しようぜ！とか言って自己紹介するハメになっている。

……いらないでしょ。

｢…――です。高等部からの編入なので、友達がいません。
気軽に声をかけてもらえたら嬉しいです。｣

編入という言葉が気になって、顔を上げると長身の爽やかそうに笑う青年がいた。

ウザい。
ひどくウザい。
僕より身長が10㎝以上も高そうで本気でウザい。

ついさっき幼なじみに、｢悠ってば、相変わらずちっちゃいねー。あ、もう成長期終わった？まじ乙っすー｣って言われたからだろう。余計にウザい。
あいつ、腐男子になってから……ウザさに拍車がかかってないか？

ちなみに僕は、全くビーエル？に興味はない。
今まで好きな人ができたこともないけど、これからも興味はそんなにない。