牢獄国家【虎国】

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石畳で舗装された道を、ガラガラと牛車(ぎっしゃ)が進む。 牛に引かれる荷は、鉄かごの上から覆いを被せられ中を窺う(うかがう)ことは出来ない。 しかし、推察する事は出来る。 牛車を先導するは、"牢獄国家"と称される虎国の獄卒。 その事から、牛車を使うほど身分の高い犯罪者を護送しているのだろう。 ただ、牛車に身分を示す家紋が彫られていない事から、いささか不自然ではあるが……。 「待たれい! これより先は、虎国が都・桀(けつ)である! 身元及び荷を改め(あらため)さてもらうぞ!」 ちょうど、山のように聳え(そびえ)立つ城門に辿り着いた時、見張りの門番に呼び止められる。 桀は城郭都市だ。 壮大な城壁に囲まれたこの都市は、東西南北にある城門で厳しく検問しており、身元の不確かな者・不審物の出入りに対し厳格な態度で取り締まっている。 そのため、門番達は1兵卒でありながらも、職務を遂行するだけの権限を与えられていた。 故(ゆえ)に、どの様な場合であろうと、例え国の上層部の役人であろうと、彼等の職務を断る事は出来ない。 出来ない。筈であった。

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