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お店の閉店時間は夜8時です。
店内の掃除や洗い物を終わらせ、黒いエプロンを外しました。
「ものすごく過保護のような気がします。君たちは」
ため息をつきながら呟くと、同じようにエプロンを外した二人が、勢い良くこちらをむきました。
「慶太さんは絶対に守ります。なにがあっても」
高校生に声を揃えて宣言されて、いささか肩が落ちてしまいました。
「僕は、そんなに頼りないでしょうか」
「違います。慶太さんを気に入る輩が多過ぎるんです。慶太さん一人じゃ、とても捌ききれません」
「そんなこと」
「あるんです!」
綺麗な顔がふたつ、目の前で子供のように憤慨しています。
僕は、二人の頭をなだめるように撫でました。
「心強いです、ありがとう。でも多少は相手を見てくれると」
「慶太さんを気に入る輩は、人でも霊でも全部害虫です」
「…そうですか」
思春期真っ只中の甥と姪は、とても極端です。
END
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