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「あっ、えっと。これからすぐ撮影準備に入ってもらうので、楽屋兼メイクルームにご案内しますね。そこに昼食も用意してありますから安心してください」
「やったー!飯だー!!」
「食べ過ぎでお腹ぽっこりのレイなんか見たくないからねー」
「わかってるって!」
「じゃあ行きますよ!」
ヒビキはそういってまるで引率の先生になった気分でメンバーを引き連れて歩き出す。
すると、そんな彼女をトモハルが彼女を呼び止めた。
「ヒビキ」
「ん?」
「オレはどうすればいいの?」
そういえばトモハルに今後の説明をするのを忘れていた。
とはいっても彼はスタッフというわけでもないし、他に仕事をお願いするわけにもいかないから明日まで特にやることはないのだが。
「トモくんは明日まで特にやることないので…好きなように過ごしててもらっていいですよ。邪魔にならなければ撮影の見学をしててもいいし、部屋で寝てるなら先に部屋に案内しますし」
「部屋で寝て…?」
何気ないヒビキの言葉に過剰反応し、眉をしかめたのはシズキだ。
「そういえば彼氏さんも今日はここに泊まるんだよな?」
「はい、もちろん。明日、また送ってもらいますから」
「それってまさか…ヒビキと彼氏、同じ部屋なのか?」
「ハ?」
ヒビキはシズキの言葉の意味に気づいてほんのり頬を染めた。
「何言ってるんですか!そんなわけないでしょう!!」
「だって彼氏なんだろ?」
「元々彼はここに来る予定ではありませんでしたし、他の男性スタッフさんと相部屋ですっ!ちなみに私も女性スタッフと相部屋ですから!!」
「本当に?」
「当り前ですっ!そもそも私たちが付き合っているっていうのはみなさん以外知らないですし」
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