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「あ、でも着替えてからにしてくださいね。衣装を汚しちゃうと大変なので」
「はーい」
そして間もなく、バーベキューハウスにはスタッフやメンバー合わせて15人ほど集まっていた。
みんな仕事を終えてラフな格好に着替え、すっきりとした顔をしている。
「それじゃ1日目お疲れさまでしたーっ!」
コップを片手にレイの乾杯で和気あいあいと打ち上げを兼ねた食事会は幕を開けた。
ヒビキは無意識のうちにトモハルの姿を探す。
すると彼は同室の若い男性スタッフと仲良くなったみたいで、楽しそうに話していた。
だが、ちょっと気になったのは一緒のテーブルにスタイリストとメイクを担当している若い女の子二人が彼らと同じテーブルに座っていることだ。
二対二でまるで合コンみたい。
しかも楽しそうだから余計に気になってしまう。
―信用してないわけじゃないけど…やっぱりちょっと寂しいなぁ。
仕方ないとは思いつつ、どこに座ろうかと思案していると後ろからにゅっと腕がのびてきてヒビキの肩を抱いた。
もちろんトモハルではない。
「ヒビキはこっちにこいよ」
声の主はシズキだ。
彼はニッと笑って半ば強引に自分たちのテーブルに連れていくと座らせる。
「あっ、ちょっと!」
「いいだろ。アーティストの管理もマネージャーの仕事だって」
「それはそうですけど…」
「レイが飲みすぎないように見張ってろよ」
「…は、はぁ…」
そのテーブルにはすでにビールが進んでいるレイとお皿いっぱいにお肉を積み上げたノアの姿がある。
―凄い量…。
「あれ、そういえばサチくんは?」
「サチならあっちで仕事の話してるよー」
ノアはそういって少し離れたテーブルを指差していた。
どうやら彼は食事もほどほどにカメラマンさんと話し込んでいるらしい。
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