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「ってことは…スタッフのどなたかの知り合いってことですか?」
「ああ、ジェダイトのマネージャーやってるヒ…秋川さんと」
「秋川さんのお知合いなんですか!秋川さんに敦賀さんみたいな知り合いがいたなんてびっくり」
―それはどういう意味?
「秋ちゃんって男っ気ないからねぇ」
乃木はしみじみと呟いた。
どうやらメンバーと同じく、周りから見たヒビキの印象は男っ気のない彼氏なし女子と言う印象らしい。
これにはトモハルも思わず笑いそうになってしまった。
「それで、敦賀さんは彼女とかいらっしゃるんですか?」
「いるけど」
トモハルはちらりとヒビキを覗き見た。
しかし、べったりとくっついているシズキに腹がたってすぐに目をそらしてしまう。
―あいつ!
「いるんだぁ。そうですよね、敦賀さんみたいに素敵な人に彼女がいないわけないですもんね」
「それで、彼女はどんな人なんですか?」
そう尋ねられてしばし考えたのち、口を開く。
「…秋川さん…」
はっきりと明言は避けたが、ストレートに言ってみた。
しかしそれを聞いた二人は何故か笑う。
「えっ?秋川さんみたいな人??」
「だったら私たちにもまだ可能性ありますよね!」
「は?」
トモハルは怪訝そうに眉根を寄せる。
どうやら彼女たちは相当自分に自信を持っているらしい。
確かにヒビキに比べてお洒落だし、見た目の上で勝っているのは認めるが…正直、自分の彼女が馬鹿にされるのは気分のいいものではない。
だが、そんなトモハルの思いなど露知らず城山は嬉しそうににっこりと微笑んだ。
彼女は女性らしいほんわかとした雰囲気の女性で、いわゆる癒し系だった。
どうやらトモハルのことを気にいっているらしいのが態度でわかる。
ちなみにもう1人の乃木はどっちかというと姐御肌でチャキチャキ系の女性だ。
どちらもヒビキとは雰囲気が全然違う。
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