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「あああああああああああああああああ!!」
柊詩音は頭を抱えて布団を蹴飛ばし悶えていた。頭を直接握られているような、頭の中に直接話しかけられている様な気持ち悪い感覚。
「俺はッ……どうしち……まったんだッ……!」
一週間前、着物姿の男に出くわし、突然黒い何かに姿を変えて迫ってきてからと言うもの、取り憑かれてしまったように“あの男の声がする”。
誰かを殺せと、命令する。
誰かを殺して“生命を寄越せ”と服従させようとする。
今誰でも会ったら、本当に殺してしまいそうになるくらいに。
もう殺人という暗雲しか彼の視界には見えないのだ。
「うぐっ……はぁ……はぁ……」
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