クリスマスの出逢い

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真っ白な粉雪が、パラパラ降り注ぐこの日の夕方。 辺りは、クリスマスモード一色のこの12月という季節。 手袋を忘れて、あまりに寒かった私は、そっと彼のコートの中に手を忍ばせた。 彼が振り返ると目で合図。 “寒いな” その言葉をすばやく読み取ると、頬を染めた。 妹と二人暮らしの私。 ただ単純に都会に憧れて、住み慣れた田舎町を出てきたんだけど…… すぐに、妹の理紗(リサ)が私を追って、狭いアパートに越してきた。 狭いといっても、二部屋はあるので、何の問題もない。 アパートからも、大学は十分近くて胸を撫で下ろしたのもつかの間。 まさか、妹と暮らすことになるとは思わなかった。
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