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そこは、何もない空間。
上にあるべき場所も、下にあるべき場所も、横にあるべき場所さえも、何もない。
そう『何も』ない。
真っ白だけど、人が視覚的に捉(とら)える『白』とは違う『白』。
影もなく、まるで紙細工のような、何というか奇妙な空間。
その空間に、ただ一人の少女が佇(たたず)んでいた。
・・・ここは、どこだろう?
彼女は、明らかに困惑していた。
何故なら、何故自分がそこにいるのか分からないでいたから。
彼女は、足を動かしてみる。
しかし、足は動く気配がない。
手を動かしてみる。
やはり、手も動く気配がない。
彼女は、気付かない。
足を動かしてみようとすれば、どこからか記号のようなものがあふれ出す事に。
手を動かしてみようとすれば、やはり同じくどこからか記号のようなものがあふれ出す。
ふと、彼女は漸(ようや)く記号のようなものに気付き、そして、戸惑う。
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