0からのスタート?

2/14
前へ
/209ページ
次へ
   そこは、何もない空間。  上にあるべき場所も、下にあるべき場所も、横にあるべき場所さえも、何もない。  そう『何も』ない。  真っ白だけど、人が視覚的に捉(とら)える『白』とは違う『白』。  影もなく、まるで紙細工のような、何というか奇妙な空間。  その空間に、ただ一人の少女が佇(たたず)んでいた。 ・・・ここは、どこだろう?  彼女は、明らかに困惑していた。  何故なら、何故自分がそこにいるのか分からないでいたから。  彼女は、足を動かしてみる。  しかし、足は動く気配がない。  手を動かしてみる。  やはり、手も動く気配がない。  彼女は、気付かない。  足を動かしてみようとすれば、どこからか記号のようなものがあふれ出す事に。  手を動かしてみようとすれば、やはり同じくどこからか記号のようなものがあふれ出す。  ふと、彼女は漸(ようや)く記号のようなものに気付き、そして、戸惑う。  
/209ページ

最初のコメントを投稿しよう!

75人が本棚に入れています
本棚に追加