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「え…な、何の話?」
雨羽が戸惑っているのも尻目に、舞は相変わらず自分の世界に入りっぱなしだった。
そう、これが 朝比奈 美月という女の恐ろしさだよ。
探偵部の部長というポジションを利用して、職権乱用をしまくる新手の詐欺師…
それが 朝比奈 美月という女の正体なんだ!
間違いない!
「舞ちゃん…
今 すごく 下らない事
考えたでしょ?」
「な、何故 それを!?」
舞は自分の考えが見破れた事に驚き、雨羽をマジマジと見る。
すると、雨羽は舞に顔を近づかせ、含みのある顔で予想外な発言をした。
「ふふっ 実は僕 エスパーなんだよ」
「な…っ!
なんですって!?」
新事実が発覚してしまった…
雨羽くんが実はエスパーだなんて…!?
で、でも…そんな事急に言われても私はどう対処したらいいのかな…
やっぱり秘密にしといた方が…
「んじゃ!
あとガンバってね、舞ちゃん!」
舞が思考を働かせている間に、雨羽は『2-C』と札の掛かったクラスの扉の前でウインクをすると、教室へと入ろうとしていた。
「あ。ちょ、ちょっと待って…」
舞の言葉は届かず、雨羽の姿はそこで教室へと消え去り、目の前に見えるのはただ生徒が行き交う廊下だけとなった。
しばらくポカンとしていた舞は、腕を組んでから考える。
うーーーーーん。
結局…何でバラしたんだろ?
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