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首を傾げる舞の質問に答える者などおらず、代わりにキーンコーンカーンコーンという学校特有のチャイムが校内に鳴り響いた。
今のチャイムは休憩時間の終わりの合図だ。
「うわっ!もうこんな時間だったの!?」
廊下にいた舞は、それを聞いて慌てて雨羽と同じ教室に入っていった。
その頃、2ーBの教室では1現目が始まっているというのに、依然 居眠りをしている咲枝集の姿があった。
「…ん…うぅん」
「咲枝くん」
誰かに呼ばれている集だったが、まだ熟睡中のようだ。
寝言さえも聞こえる。
「あは…あはは…
さすがに…それは…
言え…ますよ…」
「咲枝……」
「だ…から…言える…って…」
「咲枝ぇ!!」
ドン!
「アイム ファイン!!」
机を思い切り叩かれ、大声で名前を呼ばれたのに驚き、ついに目が覚める。
そして、眠気眼に目の前を見ると、知った顔が俺の視界に映った。
「げっ…英語の本田…っ!」
あ。やべ 心で思ってた事を口に出して言ってしまった。
「おい 咲枝。
起こされてから『私は元気です』と答えるのは良い…それはある意味、関心する所だ。」
…な、何だ?
怒るんじゃないのか?
「い、いやぁ、それ程でも…」
「で?質問なんだが咲枝。
教師を 呼び捨てにしていいのか?」
うぐっ…やっぱり聞かれてたか。
俺は心臓をドキンとさせると、本田の求めている答えを述べる。
「いや…あの、いけないと思いま…」
「そうだろう?ダメだよなぁ?」
こいつ…俺が言い切る前に…
本田は問い詰める様に俺に顔を近付けた。
「そ、そうですね。」
「では、さっき お前は何故
私を呼び捨てにしたんだ?
咲枝集くん?」
本田は腕を組みながら俺の眼を見て尋ねて来る。
これは…本当の事を言えば間違いなく職員室コースだな。
まさか、いつも本田の事をネタにして友達と「本田!」「呼んだ?」なんてつまらないギャグを言いあっているだなんて口が裂けても言えない。
だとすれば、とる行動は一つだ!
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