プロローグ

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*8年前 ―東京某所― とあるビルの一室。そこで30代前半であろう男と、50代後半であろう男が取引をしていた。 若い方の男。実はこの男、この年齢にして、某大企業の社長なのである。 年商数兆円をも稼ぐこの男。実はあまり世に知られていない。理由は分からないが、ごく一部の人間しか知らないらしい。 そんな謎の男の手には2台のアタッシュケース。中には勿論札束。合計すると、10億円もある。 10億円でこの男が何を買おうとしてるのか?それは・・・・・・ 「無人島を買い取りたいのですが、この額で島の所有権、譲って頂けないでしょうか?」 そう、無人島である。 相手側の男も何故無人島を?といった表情を浮かべている。 まぁ男が驚くのも無理もない。まず、無人島なんて買ってどうするのか?版権を手にしたとこでどうしようもない。 それともう1つ。先に述べたように、この男が、年商数兆円を稼ぐ男だと知っているのはごく僅か。勿論この男は、こんな若造が社長だなんて思っていない。それが突然10億を差し出し、無人島を買い取りたい、とか言い出すんだから、頭の中は混乱するだろう。
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