未来都市 デュランバーク

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*20XX年 時は現代。私立兎秦高校[とばたこうこう]に通う高校2年生の森口 隆太郎[もりぐち りゅうたろう]こと俺は今、非常にピンチである。 何故ピンチなのかと言うと、現在の時刻は8時27分。そして、登校完了は8時30分。 つまり遅刻しそうなのである。 これまでも散々遅刻をしてきた。そのせいで、次遅刻したら留年してしまうのかもしれないのだ。何としても留年は避けたい。 だから俺は今、猛烈に走っている。かつては“兎秦のチーター”と呼ばれた男。何がなんでも間に合ってみせる!! そうこうしている内に校門が見えてきた。現在8時28分。もっと正確に言えば、8時28分27秒。後、1分半弱で教室に着かなければならない。 靴箱で上履きに履き替えるのは問題ない。すぐに靴は脱げるし、履ける。しかし、問題なのはクラスの位置。俺のクラスは4階。つまり計80段以上もの階段を上らなければならない。ここでいかに素早く上がれるかが今回のポイントになるだろう。 よし、無事に靴を履き替えた。残り47秒。ここからが勝負だ!!
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