未来都市 デュランバーク

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2段飛ばしじゃ間に合わない。3段・・・・・・いや、4段飛ばしで、かつスピーディーに上らなければならない。 ダッダッダッダッ・・・キュッ・・・ 廊下内に上履きが擦れる音が響く。途中“廊下は走るな”と書かれたポスターが目に入ったが、今はそんなの気にしてられない。 後残り12秒。そして残る階段は20段。つまり後1階上れば、教室に着く。 もう身体はボロボロ。体力の限界なんて疾うの昔に過ぎた。足なんて、さっきからガクガク震えている。 今の俺を支えているのは“留年したくない”という気持ちのみ。ただその気持ちだけが、俺を支えているのだ。 よし、階段を上りきった。後は教室までの直線だけだ。 残り4秒。4秒で、10m弱を走らなければならない。そんなの簡単だ。俺を誰だと思っている。俺は“兎秦の――――― ガッ・・・ズシャーーー・・・ ・・・・・・足が縺れ、最後の最後で転んでしまった。無情にも鳴り響くチャイムの音。 ・・・今日も遅刻か・・・・・・・・・。
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