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一方、秋一と優香は海に降る雪を見ていた。
「昔はよく見たんだが…改めて見ると幻想的だよなぁ」
「ふふ、でしょ」
そうして優香は秋一の腕にしがみつく。
照れながらも受け入れる。
そんな時。
『ルプ!!グリュ!!今そんないちゃついてるときじゃないよ!!』
頭にガンと響いたのは秋一の武具の声だった。
「どうしたんだよ。」
『カルスが危ない。心を閉ざすかもしれないわ!!急いで向かって!!』
「カルスって隆生くんのことだよね?心を閉ざすって…。」
「考えてる暇ねぇぞ。優!!急げ。帰り支度だ!!」
「う、うん」
バタバタと民宿に戻り、帰り支度を初めた。
一方、京介、水景、美華は三人で勉強をしていた。
「だからさ。ここだよ。ここを使ってこうしてこの解に持ってくるの」
「お、おぅわりぃ」
「あっ、こら!!美華ダイエットするんでしょ!!ショートケーキはせめて2つにしなさい!!てか私はお母さんか!!」
肩で息をしながら座る。
「ほんと…なんでこんな馬鹿に惚れたんだろ…」
「ん?なんかいったか?」
「なんでもないわよ!!」
きっとした顔が怖く、京介はビクッとなった。
『怖ぇ…』
その時、ドクンと心臓の様な鼓動がなって、声が響いた。
『スタン!!急げ!!他の者も!!カルスが危ない。』
京介と水景はすぐに立ち、美華もがばっと起きてすぐに立ち上がる。
「京介は、すぐに出なさい。美華は水を持っていつでも出せるようにして」
「うん」
そう言ってとりあえず大通りに出る。
一方街中を歩いていた矢凪は女連れの隆生を見つける。
『これは面白そう・・・クフフ』
そう笑いながら後をつけていた。
これは歴史の繰り返しなのだろうか。
しかし当時とは違うはず。
そう信じて皆は集う。
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