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一方、香住と楓と誠が、歌の歌詞を考えていた。 「ここはこうしたらいいんじゃないか?」 「でもこことのつながりがおかしくならない?大丈夫?」 歌詞をプリントした紙を見ながら楓と誠が意見交換している。 普段は二人で話し合うのだが、香住も交えたいと楓が申し出た。 いい刺激になるだろうと考えていた。 「でもさ。ここをこう変えたらいいんじゃない?こうしたら誠くんの案とも繋がるし」 「あっホントだ。すごいね!」 そう言って掌を合わせる。 「荒川さんて国語得意なんだ」 「まぁ一応ね。でも古文を集中的にしてるから今のは偶然だよ」 「でもすごいよ。香住ちゃん」 「ありがとう」 そう言って勧めていくとビィィィィィィンと各々の武具が震えた。 「どうしたの!?」 「わからない。どうしたのオールプロテクション」 『カルスの元に彼の者の陰(かげ)が迫っている。早く追いかけなければ誰かが闇に落ちる』 すぐに籠手とすね当てを持って… 「あの…誠先に出て」 「ああ、分かった」 若干わからないといった顔だったが、急いでいる様子で出なければならないと気づいたのだろう。 素直に外に出た。 「よかった。今日はジーパンだったから」 「あぁ。それじゃ誠くんいちゃだめだね」 そう言っていそいそと装着して、外に出る。 「隆生君今日はどこにいるの?」 「隆は今日は多分…どこだろう?」 ずべ―――――――――― 見事に地面を滑った二人。 「し、知らないの!?」 鼻とおでこを押さえて楓は言う。 「困ったな。探知型の仲間が居ないからどうしたら良いか…兎に角大通りに出よう。出たら共振で何かわかるかもしれない」
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