11人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃、璃は教室に近付いて行くと、誰かが騒いでいる声が聞こえた。
璃(朝からうるさいなぁ……)
どうせまた何かされているんだと思いながら、教室のドアを開けた。
その瞬間……
練「今度、璃にこんな事した奴は、オレがぶっ飛ばすからな!!」
と、全員に聞こえるくらい大きな声で言った。
シ――――ンと静まり返る教室のドアの所で璃は立ち尽くしている。
璃(気……気まずいような……///)
璃にとっては、今のは問題発言である。
昨日転校して来たクラスの人気者があんな事言ったら、ただでさえいじめられているにも関わらず、注目度No.1になってしまうからだ。
静まり返り、皆、璃の方を見る。
キーンコーンカーンコーン……
チャイムが鳴り、先生が来て沈黙を破った。
幸一「新城、中に入らないと先生入れないだろ」
そう、声をかけられた時、璃は無言で机の方に歩いた。
先生がいなくなって、練と圭がいなくなると、教室中の人が噂(悪口?)している。
璃(……最っ悪!!! あんな奴大っ嫌い!!)
と、思い直していた。
さっきの出来事は印象的だったから、しばらくは忘れられないだろう。
それで、いじめがエスカレートしない事を願っていた。
泉は、圭の方に行き、
泉「圭君、昼休み屋上に来てくれる? 二人だけで話したい事があるの」
圭「うん、いいよ。昼休み屋上だね」
泉「ええ、待ってるから」
そんな二人の様子を見ていた練が、
練「泉~オレにはないの? 秘密のお話♪」
泉「うん。ごめんね」
そう言った泉の顔を見て、
練「泉って何か憎めないんだよな~」
二人にそれだけ言うと泉は教室から出ようとする。
圭「? どこか行くの? もうすぐ授業始まるよ……」
泉「ええ、ちょっと呼ばれてたから……。授業にはちょっと遅れるかもしれない……」
圭「わかった。先生に伝えとくよ」
泉「ありがとう、圭君」
そう言って出て行った。
最初のコメントを投稿しよう!