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キーンコーンカーンコーン……
と、一時間目の授業が始まるチャイムが鳴った。
屋上
泉「何の用なの? こんな所に呼び出して……」
隼「……どうしても……確認したい事があって……」
そう、泉を呼び出したのは隼だった……。
隼「……あの人が言ってたのは、あなたじゃないんですか?」
あの人とは、装飾品から現れる女性の事だった。
泉「……どうしてそう思うの?」
隼「泉さんの名前にも……、力にも『ず』と言う言葉があります。それに……泉さんは、あの人を知っているんじゃないですか?」
いちお、年上の人だから、さん付けで呼んでいる。
泉「……隠しても無駄のようね。多分、私の事よ。隼君。でも、君一人で私を止められる? 『フルトリ』のあなたと『水』の私。戦う前から結果は見えてるわよ」
確かに、隼の力の方が非攻撃的な力だ。
隼「どうすれば……止めてくれるんですか?」
泉「私が力を使えなくなれば、止めざるを得ないわね。」
それを聞いた隼は、少し考え、
隼「……それなら、僕にも出来るかも……」
そして、隼は片手を挙げて、
隼『雀』
と言った。
すると、たくさんの雀が現れた。
呪いの子の『言霊の力』とは、自分の名前の漢字やへん、つくりのある言葉を実体化させ、操る力……。
それを見た泉はクスクス笑い、
泉「そんな小鳥で何して遊ぶの?」
隼「泉さんの動きを邪魔するんですよ……。『雀躍』」
たくさんの雀が跳ねるように泉の方に飛んで行った。
泉は雀を払ったが、たくさんいて、近寄って来る。
泉「私を怒らせたいのね……」
気付くと隼は泉の近くまで来ていて、手を伸ばし、あの装飾品に触れる。
泉はとっさに下がり、
泉『水柱』
泉の周りに水柱が現れ、雀達が水圧に負け吹き飛ばされた。
泉「……私、授業に出なきゃいけないからもう行くね」
と言い、立ち去ろうとする。
隼「待って下さい。泉さんは何を考えているんですか?!」
泉「……隼君、うるさいのね。『水泡』……私の事、黙っててね」
隼の鼻と口の所に泡のようなものが現れた。
隼(息が……出来ない……)
泉「バイバイ」
泉が去って少しすると水泡がなくなったが、隼は酸欠状態になり、屋上に倒れた。
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