215人が本棚に入れています
本棚に追加
ユ「…………私、未来から来たみたいです」
私は目を閉じ、静かに言った。
ユ「…………」
鴨「…………」
私と芹沢さんの間に沈黙が続く。
鴨「証拠は?」
ユ「それは……」
鴨「ないのか?」
ユ「……私のいた時代では、学校…寺子屋に義務として通って、そこで江戸時代、幕末について学びました。少ししかわかりませんが……それが、証拠になりませんか?」
鴨「……内容によるな」
ユ「伊井直弼が長州藩士の吉田松陰等数名を捕らえ死に。これを安政の大獄。それに激怒した浪士達により、伊井直弼は暗殺される。この事件が桜田門外の変です……私が覚えてるのはそれくらいしか……」
私は目を開けて、芹沢さんをまっすぐ見る。
鴨「……それだけでは証拠にはならんな……そうだお主、これはお主のか?」
ユ「それ……」
芹沢さんの手には私の学生鞄。
最初のコメントを投稿しよう!