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だからといって、仕事で同じになろうと決してそんな態度は見せない。
寧ろ友好関係を築けているようにさえ見えるが、実際は違う。
仕事場以外では、毎日嫌味の言い合いだ。
「イビってなんかないよ。仲良くしたいだけだよ。」
「仲良くしたい奴がそんなあからさまに殺気見せるの?」
「殺気じゃない、愛情オーラって言ってよ。」
「御冗談を。」
「・・・」
ため息混じりに言えば、和泉は考え込むような素振りをみせる。
それに気付いた七瀬は、眉間に皺を寄せて和泉を覗き込む。
「何、嫌味でも考えてるわけ?」
「…いや、なんでも。」
それだけ言って背を向ける和泉をムスッとしながら見つめ、特に止める理由もないのでサイド、どかりと境内の廊下に座り込む。
はて、あいつは何を考えていたんだろうか?
そんな疑問だけがどろりと、ヘドロのように頭に残り気持ちの悪い感情にとらわれた。
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