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「ふふっ。貴方たちには少し難しい話題でしたかネ」
イリーヤはニヤニヤ笑いながら、
「簡単に言えば現実を改変した。だから『西遊記』は現実となった。そう解釈してくれて問題ないですネ」
「…………、イカれてやがる」
気味悪そうにロランは言った。
どのようなテクノロジーを使用したかは知らないが、創作を現実とすることが可能な『技術』など不気味すぎる。
「それじゃあ、『三蔵法師』にはこれを差し上げましょうかネ」
バザッと。
仰向けで寝転がっているロランの顔になにかが覆い被さった。
持ち上げると、それは、
「『旅のしおり』?」
薄い本だった。
表紙にデカデカと『旅のしおり』と書かれた本だった。
「それに『救世巡礼』について書かれていますから、世界が滅ぶまでの一ヶ月間―――頑張ってくださいネ☆」
「………………………………………は?」
最後の最後にさらっととんでもないカミングアウトを言ってきやがった。
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