母さんのいない日々

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ある夜、姉ちゃんと二人で銭湯に来ていると母さんがやってきた。 「母さんちょっと出掛けるから、このお金大切に置いといて」と言葉を残し姿を消した。 金額、18万。 家に帰り、いつまでたっても母は帰らない。翌日もそのまた翌日も… お金は9万ずつわけた。 姉ちゃんは婆ちゃんの家に事情を話に、そのまま帰ってくることはなかった。 私は… 一人ぽっち。 一人でお菓子を食べたりカップラーメン食べたり… 光熱費の集金にきたら、支払いしたり… お金が底をついて、毎日紙袋持って万引きをしにスーパーへ。 嫌だったなぁ、そんなん。 自分なにやってるんだろって毎日思ってた。 あるとき姉ちゃんが帰宅したんだ。理由は覚えてないけど激しい喧嘩になって追い出してやったこともある(笑) 母さんの浮気相手の奥さんも怒鳴り込んできたこともある。 半年くらいして、母が帰宅。 お金が底をついたんだろう、それでもまた出て行こうとしてる。 いなかった間、一度も連絡をしてこなかった母さん。それでも、憎たらしいけど無事に帰宅した母の姿を見て涙が止まらなかった。学校には母さんがいないことバレていて先生にも呼ばれたりしてたけど、婆ちゃんの家にいるから大丈夫と告げていた。 母さんとは会話なし。 進路の話も何も聞いてくれない、自分のことでいっぱいいっぱいなんだろう。 何日かして姉も戻り、大人の間でどんな話になっていたかは知らないけど、母さんは仕事しないで家にいる。職場ももちろんクビだから… ある朝、ドン!ドン!って叩くドアの音が… 開けた途端に、母さんの不倫相手の奥さんと娘が凄い剣幕で上がり込んで母さんを殴った。 私は頭に来て、不倫相手の奥さんを殴った。 「親が親なら子も子だ!」 「そんな大事なら首に鎖でもつけとけ!」って言っちゃった。 姉ちゃんは、すぐに人を呼びに婆ちゃんの家へ。 母さんは、ひたすらすいません、すいませんって謝ってた。 結局、向こうの家は離婚。 母さんは、その男と住むことに。 心なしか、私は母さんを応援してあげたかったから何も言わなかったょ。いいひとそうだったし。でも、大人になってみてわかるんだ。浮気は良くないってさ。浮気は病気だから直らない。 その話はさておき、姉ちゃんはどうしても納得行かず、婆ちゃんの家に住むことにしたんだ。私たちは、新しい古い汚い一軒家へ引っ越すことになる。隣町へ。 また転校だ。
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