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深海
ここに来た理由を今更話す程でもない。
ただ私は船を盗んで太平洋をエンジンの残量が許すままに突っ走りやがて停止した、それだけだ。
360度、どこを見渡したって島なんてない。
広がるのは空と海ばかり。
その壮大な景色が私にとっては重たく憂鬱に感じられた。
最後の食事をとり、私は覚悟を決める。
私はこの世界にとって必要のない人間。
他に語れることは沢山あるがこの際どうでも良いだろう。
私は鈍る覚悟を奮い立たせ、その深い青へと飛び込んだ。
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