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ムクムクと自分の中に母性に似た感情がわき起こる。
私にとってここは、安全地帯だ。
だからその逆で、千裕の落ち着く場所がいつまでも私であってほしい。
他の誰でもない私であってほしい。
「千裕、あのね……千裕はどう思ってるか分からないけど、私の安全地帯はいつでも千裕なんだ」
「……うん」
「だからね?私も千裕の安全地帯になりたいな」
「……咲?それってさ……」
肩が急に軽くなって、同時に私の体は千裕の胸の中から解放される。
それと引き換えに、至近距離から私の顔を覗き込む千裕。
その瞳に私の顔が映ってるのもはっきりと分かる距離。
自分の言葉でちゃんと気持ちを伝えようって決心したんだ。
私が好きなのは千裕。
ちゃんと伝えて、ダメなら幼馴染に戻るだけ。
変だけど、私と千裕なら幼馴染に戻れるような確信はある。
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