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「気の長ェハナシだな」
ウンザリしたような口調の漆黒の瞳が、見つめ返して来る。
そして。
「でも。仕方ねェから待っててやるよ」
いかにもクロらしくて、クロらしくない言葉を続けたクロは、もう一方の腕をあたしの後頭部へと回すと。
「お前。マジで俺で――」
まるで自分の言葉を自分で遮るかのように、いきなりその形の良い口唇を塞いだ。
あたしの口唇を奪う事によって。
あまりにも突然で、あまりにも強引なキスだった。
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