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お陰であたしは、正門前だというのに抗う事すら出来なかった。
とはいえ抗うつもりもなかったあたしは、衝撃のあまり一瞬硬直したものの、次の瞬間には初めてのクロの感触に溺れた。
冷たくて意地悪なクロの温もり。
タバコ味のファーストキス。
やっとクロと巡り会えた。
やっとクロと真正面から向き合えた。
クロ……大好き。
だけど、ようやく自分の両腕をクロの身体へと回そうとした矢先に、無情にも離れて行くクロの感触。
「こんな時に目ェこじ開けて凝視してんじゃねェよ。でりかしーのねェオンナだな」
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