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「……ハァ~」
ゾロがため息をはいた。
たったそれだけの小さな音にビクリと、異常なまでに反応してしまう。
(…情けねぇ…)
思わず唇を噛み締めた。
「ったく、どうしてお前はそう意地をはるんだ?ちょっとくらい素直になりゃいいだろ?」
そっと近づいてきたゾロが優しく頭を撫でてきた。
いつもなら、驚いて蹴りとばすが今日だけはできなかった。
まるでゾロが自分を労って、…慰めてくれているようだったから。
(…ッありえねぇのに、また期待しちまう。)
「………ッ、んで?」
ポロポロと自分の瞳から涙がこぼれる。
(ダッセ…)
そう思うのにとまらない。
「サンジ、」
(あぁ、もう…)
「サンジ、辛いなら隠すな。」
(これだからいやなんだ)
「サンジ。」
(いつもなら、名前なんて呼ばねぇくせに)
結局、俺は全てをゾロに話した。意地をはらず、素直に、正直に…
怖かったのも、嫌だったのも、今も尚、その恐怖が続いていることも。
ゾロはただ俺を抱き締めながら、静かに聞いていてくれた。
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