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「……で?」
「あぁ?」
話終えた後の沈黙を破ったのは俺で、突然の言葉にゾロもマヌケ面だった。
「どうよ、聞いてみて。笑える話だろ?男にヤったもヤられたもねぇよって…レディでもねぇのに、アホらしい。」
自分で言って納得してしまう。
そうだ、こんなこと野郎が気にすることじゃねぇ…
わかっちゃいるんだ…
「…そういうもんか?男だろうが女だろうが辛ぇんじゃねぇのか?」
意外だった。
「はっ、お前にもケツ振るような淫乱野郎なんじゃねぇのかよ?俺は。言ってることが矛盾してませんか?剣豪サマ。」
憎まれ口を言っていないと、泣いてしまいそうなくらい。
「そうかよ。嫌ならヤんないでもいいんだぜ?」
嬉しかった。
「は…絶倫剣士の相手は淫乱な俺にしかできねぇよ。バァカ。」
いつもなら、淫乱なんて言われたら傷ついてたけど…
今日だけはへいきだった。
「なぁ…コック」
「…ん?」
急にゾロのトーンが変わった。
さっきまでとは違う、真剣なものになった。
「俺は、ずっとお前に言ってなかったことがあるんだ。」
心臓がドキンと音をたてたような気がした。
痛いくらいに鳴り響いている。
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