お前と俺の距離。

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「なんだよ…改まって…」 「サンジ」 名前を呼ばれて、嬉しかった。 「好きだ。ずっとまえから。 今言うことじゃないかも知れないが、これ以上お前が傷ついていくのを見たくない。」 人は、嬉しすぎると涙が出るらしい。 自分の意思とは関係なく涙が零れた。 「お、れ…ウッ、俺も、好きッ…だ。」 嗚咽を繰り返すなか、必死に伝えた。 とまらない涙にみっともないだろうな、とは感じたが、隠す余裕なんてなかった。 「好きッ、だ」 何回も、何回も 今まで言えなかった分を取り戻すように… 必死に伝えた。 不意に、ゾロが俺を抱き締めてくれた。 (あぁ、お前の服が汚れちまう) 頭の片隅ではそんなどうでもいいことを考えていた。 「サンジ、今まで悪かった。好きだ。」 それから、お互いがずっと勘違いをしていたこと、それぞれの誤解を解決した。 まさか、処理関係を始めた頃には既に両思いだったとは。 あまりの遠回りな恋物語に笑ってしまう。 俺が強姦されたことも、ゾロはちゃんと受け止めてくれて、 「これから俺が塗り替えてやる。」 とまで言ってくれた。 絡み合った糸がゆっくりとほどけていくようだった。 長い長い道のりだったけど、今日やっと、俺たちは通じ合うことができた。 恋愛は駆け引き。 必要なのは互いの言葉。 それを俺はゾロと一緒に学ぶことができた。 「ゾロ…愛してる。」 ちょっとくさいセリフも使っていかなきゃな♪ END
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