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"もしも"という言葉は、どうも好きになれない。まわりの奴等がその言葉に夢見るように、その言葉を使えば、叶わぬ夢を見れるから。
それでも、俺は願ってしまう。
もしも、あの出会いが違っていれば。
もしも、あの瞳が俺を見てくれれば。
もしも、あの優しさが俺を包んでくれれば…
きっと俺達は普通に愛を囁けたはずなんだ。
怒りや、悲しみでもかまわないから俺という存在を忘れないで欲しい。それは叶いそうで叶わない、俺の小さな夢だった。
「ピーピー、ピーピーうるせぇなアホコック。」
「誰もそんなこと頼んじゃいねぇんだよ。」
「ふざけんな、知ったような事いってんじゃねぇよ。」
「敵にまで、優しくしてんじゃねぇよ!!」
バカだったのは自分だった。アイツの中に自分を見つけられなかった。
知るのが遅すぎた。なぜわからなったのだろう、俺はただ…
他の奴等よりも、お前に愛して欲しかった。
「ふざけんなよ、クソマリモ。くたばっちまえ。」
…あぁ、だから
"もしも"という言葉は好きになれない。俺に叶わぬ夢を見せるから。
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